弊社は指定管理者制度発足当時から、これまで継続して応募支援の実績を積み重ねて参りました。→具体的な実績はこちらをご覧ください
FAQ一覧
Q.指定管理者公募時の事業計画書を作成してもらえますか
お客様の協力は必要ですが、もちろん事業計画書の作成を支援させていただきます。→詳しくはこちらをご覧ください。
Q. 事業計画書を書くために、どのような情報を集めればいいですか。
現指定管理者の管理運営状況を情報収集する
施設を利用できる場合は、出来るだけ利用してみることをお勧めします。利用してみることで利用者の視点で施設の課題や良い点を見つけることができます。利用者目線の情報は現指定管理者の得られない情報で、強力なアドバンテージを得ることができます。
また年度事業報告書、年度事業計画書は多くの場合、情報公開請求で手に入れることができます。事業報告書には一年間で実施した事業の他、事故やクレーム、アンケート結果も掲載されていることがあります。このような情報から施設の課題を推測することができます。
現指定管理者の前回公募時の事業計画書も手に入れておくと役に立ちます。ただ漠然と内容を読むのではなく、事業計画書に書かれていることが実行されているかどうか、施設を訪問して確認することで、現指定管理者の課題が明らかになります。
そのほか、施設のパンフレットやチラシ、利用案内等の配布物はできるだけ集めます。掲示物も写真にとればいいのですが、最近は盗撮を防止するため館内の撮影を禁止している施設も増えてきています。
類似施設を調査し、管理運営状況を比較する
対象施設の類似施設を調査してみることも効果的な提案の役に立ちます。類似施設の調査は近隣の施設ですと、実際に訪問してみることをお勧めします。訪問できない場合はインターネットなどで調査しますが、その場合イベントや自主事業の情報ぐらいしか得られません。
類似施設の評価の際には、前回の事業計画書様式などから比較のポイントをリストアップし、リストに従って優劣や施策の違いを評価すると、事業計画書作成に直接役立つ情報が得られます。イベントや自主事業のアイデアも得ることが出来ます。
施設を取り巻く地域の情報を収集(人口動態データ、施設へのアクセス)する。
人口動態データや施設へのアクセスは締め切りまでにある程度時間があれば、調べることができますか、時間に余裕があればより詳細に調べることができます。施設周辺の人口動態データを調べることで、主要ターゲットをどの年齢層にし、自主事業の内容をどうするかなど、施策の決定に必要な情報が得られます。施策の根拠を明確にすれば計画に説得力が生まれます。
時間に余裕があれば、実際に施設の周辺を歩いてみるのもよいでしょう。立地の課題や近隣の住宅環境、交通渋滞などのアクセスの課題なども明らかになります。
自社の強み・弱みを洗い出す
自社の強み・弱みも時間の有無に関係なく考えておく必要があります。ただ時間に余裕があれば、漠然と考えるのではなく想定事業計画書を書いてみれば具体的に明らかになります。自社の強みとなる分野では具体的な提案が可能ですが、それ以外の分野では具体的に書けないところがあります。具体的に書けない分野が弱みとなる分野で、「JVを検討する」、「連携先を探す」などして計画の具体化を図ります。
自治体の施策を調べる
施設に関連する自治体の施策についても時間の有無に関係なく調べておく必要があります。時間があれば、ただ関連施策を調べるのではなく、施策の背景まで調べておくとより説得力のある提案ができます。
また施策に基づく提案を行ったとき、プレゼンテーションで施策の背景まで質問されたケースもあります。きちんと答えられなければ、施策に基づく提案がかえってマイナス評価となりますので、きちんと考えておく必要があります。
Q. 指定管理の応募準備はいつごろから始めればいいですか
応募の準備を始める時期は団体によって様々です。早いところでは1年以上前から準備するところがあります。反対に遅いところでは1週間前です。ただ単に早いから、「よい事業計画書をかける」というものでもありません。早さを生かした準備を行う必要があります。
具体的には
・目的をもってデータを収集する
・想定事業計画書を書いてみて不足する経営資源を洗い出す。
・自社で不足する経営資源をカバーできる連携先を検討する。
等の準備を行います。
また継続応募の場合には、準備を始める前に現在の管理運営を見直してみることも大切です。具体的には「第三者評価」や「セルフモニタリング」、「利用者アンケート」等を行って施設の課題を見つけ出し、公募の前までに改善します。利用者アンケートであらかじめ利用者ニーズを探り出しておけば、新たな提案に活用できます。提案はアンケート結果に基づくものなので説得力があります。
では準備を始める時期が遅い場合はどうでしょうか。公募が出た直後でしたら、たいていの場合1カ月余りの時間があります。自治体の政策や地域の特性など外部環境を十分に調査したうえで、自社の強み弱みを分析する時間的余裕があります。そのためそれらに基づく提案ができます。写真やデータなど必要な資料もある程度揃えることができます。JVもすぐに決断すれば、間に合うかもしれません。他の応募者も基本的には同じ条件なのでそれほど不利にはならないでしょう。
しかし10日や2週間前の決断では、少し条件は不利になります。説明会にも出席していなければ、自治体に対するアピール面でも他社に後れを取ります。説明会で配られる施設の資料や説明会でわかる情報もあるので、情報収集の面でも他社の後塵を拝します。同種の施設をいくつか管理運営していれば、提案事項を考えるのも比較的容易ですが、自社にとって新たな施設の場合、提案を具体的に掘り下げて考える時間が不足します。
ただ可能性がゼロと言うことはありません。指定管理者の決定は相対的なものです。自社より評価の高い企業が無ければ、自社が選ばれます。また事業計画書だけでなく「財務の健全性」や「地元企業であること」など事業計画書以外の要因も評価されるので、どうしてもこだわりのある施設であれば、応募してみることをお勧めします。私たちコンサルもできるだけ具体的な提案ができるよう可能な限りの支援を行います。
Q.どんな指定管理施設に応募すればいいですか
A.どんな施設を選ぶかについてはいくつかの視点が考えられます。第一は収益性の視点で、収益の上がる施設である必要があります。第二は選定可能性の視点で、自社の能力に合った施設、公募要項が自社にとって有利な施設である必要があります。
これらの視点を踏まえ、施設の規模や施設の種類、築年数、地域等の要素を考慮して選ぶ必要があります。
ア 施設の規模
規模については自社の事業規模に合った施設を選ぶ必要があります。指定管理ではリスク分担も決められているので、公募要項に示されたリスクが負担できる規模の施設を選ぶ必要があります。大きな施設は、地元だけでなく全国規模の企業が応募してくることもあり厳しい競争となります。小さな企業が大きな施設に応募する時は、全国規模の企業とJVを組むなど自治体が安心して施設を任せられるような体制を作ってから応募する必要があります。また実績がない企業は、自社の能力よりも少し小さめの施設に応募し、実績を作ってから自社の規模に合った施設に応募するという方法もあります。
イ 施設の種類
施設の種類は「自社の強みが生かせる施設」、「自社の業務とシナジーのある施設」を選ぶのがよいと思います。公園の指定管理者には造園業が多く応募しています。保育所は保育所を運営する社会福祉法人が有利ですが、児童館も保育所や幼稚園等を運営する団体が有利です。介護施設や老人福祉施設も同様です。スポーツ施設はジムやフィットネス、スイミングスクールを運営する会社が指定管理者となっているケースがよく見られます。大規模なホールやスポーツ施設は、様々な専門知識が要求されるので、イベント会社やビルメンテナンス会社、スポーツ関連会社などを含む複数企業がJVを組むケースが多くみられます。
ビルメンテナンス会社や警備会社は、どのような施設でも維持管理や警備で自社のノウハウを生かせるため、幅広い施設に応募しています。
ウ 施設の築年数
施設の築年数は、古くなればなるほど修繕費がかかります。ほとんどの場合、一定金額以下の修繕は指定管理者が負担することが決められています。修繕費の予算が別途計上されている場合は別として、新しい施設の方が修繕費の金銭的なリスクは小さくなります。
エ 地域
地域的には「地元産業の振興」や「緊急時の迅速な対応」、「地域との連携」などの点が考慮されるので、地元の企業が最も有利です。
Q. 公募の際、説明会には必ず出席すべきですか?
「業務委託を受けていたこともあるので、説明会に出なくても事業計画書は書ける。」という話をよく聞きます。説明会出席が応募の条件になっているところもあるうえ、そうでないところも説明会に出席しないと心象が悪くなる恐れがあります。また説明会出席によって得られる様々な情報が得られなくなります。説明会には必ず出席すべきだと思います。説明会への出席には次のようなメリットがあります。
説明会で施設の詳細な図面や利用者データ、収支データなど新たな情報が入ってくる可能性がある
現指定管理者が思わず、施設の課題などの情報を漏らすこともある
普段見られない施設の裏側も見学できる
どのような企業が応募してきているかがわかり、対策を立てられる
自治体の対応から、ある程度事前に候補が決まっているかどうか察しが付くこともある。
JVの相手先が見つかることもある。(説明会で名刺交換した相手とJVを組んだケースもあります。)
Q. 提出時に応募書類に不備があればどうなりますか。
書類が受理されないケースと書類は受理され、あとで不備があった書類を差し替えればよいケースの2パターンがあります。前者は書類を修正し、提出期限内に再度持参する必要があるため、時間の余裕をもって書類を提出する必要があります。私の経験でも、競合団体が書類の不備のため申請書を受理されなかったケースを見たことがあります。
後者の場合は、書類受付時に細かいチェックはせず、とりあえず受理して後で内容を点検するケースで、不備のあった点について、後で連絡が来て数日中に差し替えます。
Q. 運営権とはどのようなものですか
運営権(公共施設等運営権制度) は公営施設を運営する権利で、公共施設等の建設・維持管理・運営等を民間の資金、経営能力、技術的能力を活用して行うPFIの一手法(コンセッション方式※)です。自治体等の公的主体が民間事業者に権利を付与します。平成23年度のPFI法改正により、当制度が導入されました。その結果利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公的主体が有したまま、運営権を民間事業者に設定することが可能となりました。
しかし文教施設については、地方公共団体による導入事例がありません。文科省では検討会を作り、スポーツ施設・社会教育施設・文化施設に運営権の導入を促進するための制度の整備を検討しています。
※コンセッション方式・・・ある特定の事業分野で、事業者が施設の所有者等から免許や契約によって独占的な営業権を与えられたうえで行われる事業の方式。
運営権の導入が検討される背景
運営権の導入が検討される理由として、「施設の老朽化」、「施設需要の変化」、「指定管理者制度の課題」などの背景があります。
施設の老朽化
今後全国的に施設の老朽化が進み、維持管理費や更新費等の増大が見込まれます。
施設需要の変化
高齢化・人口減少等で公共施設の利用需要が変化していく中、財政負担を減らしながら効率よく地域住民のニーズに応えていく必要があります。
指定管理者制度の課題解決
指定管理者制度の次のような課題が解決できます。
- 指定期間が3-5年と短く、長期的な視点に立った運営が困難
- 自由な投資活動が難しく、民間事業者の創意工夫が十分に生かされにくい
- 施設・設備の経年劣化など、潜在的なリスクをだれが担うのか不明確である。
運営権のメリット
運営権の導入により、自治体等、事業者、施設利用者のそれぞれに次のようなメリットが生まれます。
自治体等
- 事業主体から対価を徴収することにより、施設収入の早期回収が実現できる。
- 事業収支及びマーケットリスクが公的主体から事業者に移転する。
事業者
- 運営権を独立した財産権とすることで、抵当権の設定が可能となり、資金調達が円滑化する。
- 利用料金の設定・収受が可能となるなど、自由度の高い事業運営が可能となる
- 運営権の取得に要した費用は、減価償却が可能となる。
施設利用者
- 事業者の創意工夫により、質の高い公共サービスが受けられる。
※ 文教施設における運営権制度の導入に関する検討会の動向は次のページに記されています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/040/
Q. 事業計画書のデザインは重要ですか
事業計画書作成支援の依頼で、「かっこいいデザインで作ってほしい」と言う要望がときどきあります。一方でデザインよりも中身だという意見もあります。
もちろん中身が重要なことは言うまでもありませんが、デザインもある意味、重要です。ある意味重要であるというのは、次のような理由からです。
- 提案書をじっくり読む時間がない審査委員は、第一印象で良し悪しを判断することがある。第一印象をよくするためにはデザインがきれいな方がよい。
- 短時間で内容を理解し審査の判断ができるようにするには、レイアウトやデザインがすっきりとしていてわかりやすい方が良い。
高評価に繋がるデザインについて、私は次のように考えます。
- 事業計画書全体の構成(体系)がわかりやすい
- 色やレイアウトが統一されており、すっきりしている
- 必要に応じて図表や写真が配置されており、内容を直観的に理解しやすい。
- 文字間隔が適切で読みやすい
以上の点に気を付ければ、デザイン的にもかなり見栄えのするものが作れます。また図表や写真が適度に配置された提案書は、文章ばかりの提案書より読んでいて疲れません。
Q. 単独応募かJVかどちらかいいですか
JVを組むべきかどうかという相談を受けることがよくあります。「単独で応募する」のと、「JVを組む」のはそれぞれにメリット・デメリットがあります。
単独で応募するメリットとしては、意思決定がスムーズで団体間の軋轢も生じません。それほど大きくない施設であれば、単独で応募するのがベストです。
JVを組むメリットとしては、専門分野を分担できるので、提案に置いて具体的で特徴を生かした提案がしやすいというメリットがあります。専門分野での業務実績が評価されるので審査員の印象もよくなります。実際に管理運営を行う際にも高度な専門性を生かした特徴ある管理運営ができます。(例えばホールやイベント広場のある公園などでは、イベント会社とのJVで専門的な演出が可能になったり、自主事業の幅が広がるなどのメリットがあります。)
また責任分野を明確にしておけばリスクも軽減できます。
しかし一方で「コミュニケーションに手間がかかる」、「収益の配分でもめることがある」などの欠点もあります。また維持管理業務とサービス提供業務のようにはっきり分担が分かれていればいいのですが、複合施設でエリアによって責任分担が分かれているような場合は、指揮命令系統が複雑(館長→JV企業の責任者→当該エリアの責任者)になり、エリアによってサービスレベルにムラが出ることがあります。
このようなデメリットが生じないようにするためには、JVを組む前に、責任分担や収益の配分等について、十分に協議しておく必要があります。(とはいっても、説明会の状況を見て、勝つために急にJVを組まざるを得ないようなケースもあります。そのような場合でも、実際の管理運営が始まるまでにじっくり協議する必要があります。)また実際の運営においても月に一度運営協議会を開催するなど、密接にコミュニケーションを図る必要があります。
Q.指定管理者はもうかりますか
A.結論から申し上げますと、指定管理事業は「儲かる」ともいえますし、「儲からない」ともいえます。
「儲からない」というのは、「売り上げ(たいていの場合指定管理料)に対する利益率が低い」ということです。大きな利益を出していれば自治体から還元を要請されることもあります。そもそも指定管理料は提案事項で高い金額は提示できないうえ、サービスとの兼ね合いもあるため経費もそれほど削れません。利益は必然的に小さくなります。そこで本業に関連する業務で指定を獲得し、自社に仕事を回すことで本業の売上を上げるなど工夫をしますが、自らの受注も施設にとっては経費となるのでそれほど高い金額で受注できません。
「儲かる」というのは、資本の投資効率が良いという意味です。利益自体は小さいですが、わずかな運転資金が必要なだけで、投資はほとんど必要がありません。
たとえば指定管理料が4,000万で、4半期ごとに支払われるとすれば、1,000万円の運転資金で施設を管理運営できます。利益が年間で100万円しか出なくても、総資本利益率は10%となり、かなり投資効率が良いと言えます。しかも取りはぐれは絶対ありません。
利用料金制が取られている施設の場合、指定管理料に加えて利用料収入を得ることができます。工夫をすれば利用料収入を大きく増やすことができます。さらに。施設の設置目的の達成にもプラスになり、利用者にも喜ばれるような自主事業を考えれば、自主事業で収入を増やすこともできます。
このように資本利益率から考えれば、非常に収益の上がる事業分野ですが、定期的に指定の更新があり、突然事業を失ってしまう恐れがあります。多くの施設で継続指定を獲得できるよう、高品質で安定したサービスを提供できるようなノウハウや仕組みを構築するとともに、一つ指定を落としても事業全体に影響を及ぼさないようある程度の数の施設を管理運営できるようになれば安定した収益を得られるようになるでしょう。
Q. 指定管理は業務委託と何が違うのですか
A.法的な根拠の違いについては法律家に任せるとして、事業を行ううえでの違いについて説明します。
指定管理者制度は、施設の管理権限を委任する制度で、施設ごとに議会の議決を経て指定管理者を決定します(議会の議決により審査員による審査結果が覆ることはまずありませんが、審査結果を議会で説明する必要があるため、審査員はそれなりの根拠に基づいて審査する必要があります)。業務委託は業務の一部を委託する制度で、入札により委託先を決定します。
指定管理者制度では、施設の使用許可は指定管理者が行うことになり、利用ルールやサービス内容も、自治体が定める条例や仕様書・協定書の範囲内で指定管理者が決定します。業務委託では、自治体との契約の範囲内で自治体の仕様通りに管理することが求められますが、指定管理者制度では管理運営について多くの裁量権が与えられているため、その内容を提案書で競います。
業務の範囲は、業務委託の場合「維持管理業務」だけ、「受付業務」だけなど委託された範囲に限定されますが、指定管理の場合施設の管理運営を包括的に任されます。したがって業務委託では、決められた業務を仕様通りにしか行えないのに対し、指定管理ではある程度仕様は決まっているものの、独自の工夫をして管理運営できます。
例えば指定管理では、魅力的な自主事業を行ったり、リース等で新しい設備を入れるなど利用者ニーズに合った様々な工夫を行う事業者もいます。また利用料金制をとっているところでは、条例の範囲内で利用料金を変更することも可能です。業務委託では利益を増やす方法はコスト削減だけですが、指定管理者制度では、利用料金の工夫やサービスの向上による利用者増、自主事業の工夫等により収入を増すことで、利益を増やすことも可能となります。
期間については、業務委託では多くの場合1年契約を毎年更新するのに対し、指定管理では指定期間となる3〜5年の間、管理運営を任されます。したがって業務委託の場合よりも経営の安定が図れます。